フレームレート

参照:小学館

読み方:ふれーむれーと
コンピューターグラフィックスや動画において、1秒間に何回画面を書き換えるかを表した数値。
大きい値ほど、画面表示が滑らかになる。

フレームレート

参照:IT用語辞典バイナリ

【英】frame rate
フレームレートとは、動画の再生などの品質に関する指標で、画面のコマ(フレーム)が新しく書き換えられる頻度を示す値のことである。
フレームレートの単位は「fps」(frame per second)で、1秒間にどれだけのフレームが更新されるか、という値で表される。
フレームレートの値が高いほど、多くのフレームを用いて動画が再生されていることになり、画面表示が滑らかになる。
ビデオキャプチャーで使われるフレームレートは、動画の取り込み速度を表し、ゲームでは画面描画速度の目安として使われる。

フレームレート

参照:ウィキペディア

フレームレート (Frame rate)は、動画において、単位時間あたりに処理させるフレームすなわち「コマ」の数(静止画像数)を示す、頻度の数値である[1]。
通常、1秒あたりの数値で表し、fps(英: frames per second=フレーム毎秒)という単位で表す。
映像のサンプリング周波数ともいえ、表示装置(テレビ受像機・ビデオモニター・ディスプレイ等)のリフレッシュレート同様、単位にヘルツ (Hz)が使われる場合もある。
ただし、リフレッシュレートと必ずしも同一の値を示すものではない(後述)。
連続しているものを対象とした標本化であることから、ヒトの視覚における残像効果・ストロボ効果に由来する、映像の質感や見た目に大きく関係する。
値が大きくなるほど動きが滑らかに見えるが、テレビや映画はデジタルカメラに以降後もフィルム撮影を想定したフレームレートで制作しているため、単純に滑らかであれば良い訳ではない[2][3]。

概要

指標

動画の処理全般で、映像信号や映像機器の規格の仕様、性能の目安、伝送に要求される通信路容量の計算、などにフレームレートは使われる。
コンピュータグラフィックス (CG)を用いた映像編集における処理・出力で求められるフレームレートは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークの性能により左右される[4]。
媒体や規格によって、フレームレートはさまざまに異なる。
主な在来媒体のフレームレートは以下の通り[1](コマ (映画・漫画)#その他の映像のコマも参照)。
 23.976 fps - 映画等のフィルムのコマ数の換算[3]。
コンピュータでは24 fpsで置き換える場合がある。
 25 fps - PAL規格のコンポジット映像信号。
ヨーロッパ、オーストラリアなどのアナログテレビ放送・ビデオソフトなど。
 29.97 fps - NTSC規格のコンポジット映像信号。
日本、北米などのアナログテレビ放送・ビデオソフトなど。
コンピュータでは30 fpsで置き換える場合がある。
人間の視覚に近いとされる[4]。
 50 fps - 上記のPAL規格に準じ、秒あたりのコマ数が倍になった(より滑らかな質感の)映像。
 59.94 fps - 上記のNTSC規格に準じ、秒あたりのコマ数が倍になった(より滑らかな質感の)映像。
ISDB規格(プログレッシブ方式)など。
コンピュータでは60 fpsで置き換える場合がある。
 30fps,60fps - MPEG4/AVCなどでは理論的に制作することが可能だが、対応機器とのNTSC互換などを無視した仕様になる。
 120fps - 映像用ではあまり普及していない。
さらに現実に近いフレームレートでiPhone 13 Proなどの画面を操作できるようになる。
主にゲーム向け。
技術革新が進み、各機器で60 fps以上の動画作成および再生が可能になっている[4]。
フレームレート変更処理をコンバートと呼び、映画などでフレーム数を故意に落とすなど映像効果(シネマエフェクト)に用いられる。

臨場感と快適性

臨場感や違和感などは、見慣れているなど文化的な要素も影響している[2][4]。
日本のテレビ放送(2K)は59.94 fps(ただし、インタレース)のため、多くの日本人はこれ以上であれば違和感を覚えないとされる[4]。
オンライン会議では15 fps程度あれば違和感を覚えないとされる[4]。
YouTubeではアップロードする動画のフレームレートに関して「24~60 fps」を推奨している[4]。
映画はフィルム時代から伝統的に毎秒24コマ、テレビは毎秒30コマを想定し撮影しているが、フレームレートの向上により意図しない映像で放送されていることがある[3]。
このため4Kテレビ放送(59.94 fps)の解像度を保ったまま24 fps(映画)、30 fps(テレビドラマ)など、制作側が想定したフレームレートに変換する機能を備えた録画機器も存在する[3]。
アニメーションでは1秒間(24コマ)に何枚の絵を動かすかを決める「コマ打ち」について、滑らかさ・演出・経済性を考慮して決めている[5][2]。
日本では1枚の画を3枚の連続したコマに割り当てる「3コマ打ち」が滑らかに見える限界とされている[5]。
1秒間に24枚を使う「1コマ打ち」は「フルアニメーション」とも呼ばれ、「ヌルヌル動く」と表現される滑らかな動きになるがシーンによっては違和感があるため、あえて「3コマ打ち」にすることもある[2]。
人間の視覚特性において解像度で臨場感が向上するのは4320pが上限とされるが、フレームレートによる向上は240fpsが上限とされることから、4320pディスプレイの実用化以降は、フレームレートの向上に技術開発のトレンドが移ると予測されている[6]。

走査とフレームレート

表示装置の走査方式がプログレッシブ・スキャンであればリフレッシュレートと同じ値になるが、NTSCのテレビ放送など、走査方式がインターレースの場合、フレームレートはリフレッシュレートとは一致しない。
NTSCなどでは、2:1インターレースのため、1つのフレームは、2つのフィールドからなっている。
したがって求められるリフレッシュレートは表示したい映像のフレームレートの2倍となる。
同じフレームレートで比較すれば、プログレッシブ・スキャンよりインターレースの方が、ヒトの視覚上は滑らかに見える。
ある低いフレームレートの映像媒体を、より高いフレームレートが求められる機器で再生する場合、表示側でちらつきや音ズレなどの不具合を感じさせないように、元のフレーム内容を動かさないままで、高いレートに合わせてフレームを再分割する処理を行う必要がある。
フィルム (23.98fps)作品をテレビ (29.97fpsなど)で放送するための処理例はテレシネ#フレームレートと走査方式を参照。
ビデオカメラや、初期世代のコンピュータ・ゲーム機などでは、単純にリフレッシュレートに合わせて処理すれば済んだ(映像信号伝送のための同期信号)。
しかし、各機器が高処理化・デジタル化するに従い、リフレッシュレートと同等の頻度で、バックエンドで必要な処理が増えるに至った(任天堂のファミコンなどのようにスプライトベースで信号を生成するのに対し、ソニーのPlayStationなどいわゆる「次世代ゲーム機」などでは、ポリゴン処理など3DCGも30 fpsでおこない、同一時刻ベースで偶数フィールドと奇数フィールドの画像を生成していた)。
CGの用語では、この処理レートを「フレームレート」と呼ぶ場合があったため、混乱が生じた。
ゲーム機におけるフレームレートでは、ニンテンドーゲームキューブあたりまでの時代では29.97fps(NTSC)が標準であったが、Xbox 360以降はゲームに応じて59.94fps動作を考慮しないといけないケースが増え、PlayStation 5/Xbox Series X/Sでは可変リフレッシュレート(VRR)や120fpsが実装された。
携帯機ではニンテンドー3DSやNintendo Switchにおいても29.97fpsで動作することを前提に開発された作品が依然存在している。

脚注

[脚注の使い方]
 ^ a b 動画のフレームレート(fps)の使い分けは?”. 富士フイルム. 2022年1月3日閲覧。
 ^ a b c d 『THE FIRST SLAM DUNK』井上雄彦監督と試行錯誤した演出家が明かす、山王戦の没入感「桜木らしく見せるのもテーマ」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS”. MOVIE WALKER PRESS (2023年4月21日). 2024年12月1日閲覧。
 ^ a b c d 4K高画質処理 | ブルーレイ・DVDレコーダー”. Panasonic. 2024年9月5日閲覧。
 ^ a b c d e f g フレームレート(fps)とは?動画別のおすすめ設定を解説”. ビジネストレンド|キヤノン. 2022年3月14日閲覧。
 ^ a b 第2回 アニメの「コマ打ち」とは何か――井上俊之が語る「コマ打ち」の特性”. 動く出版社 フィルムアート社. 2024年11月21日閲覧。
^ 黒木ほか 2013.

参考文献

 黒木 義彦、高橋 春男・日下部 正宏・山越 憲一「通常および高フレームレート映像刺激が脳波に及ぼす効果」『映像情報メディア学会誌』第67巻第8号、映像情報メディア学会、2013年7月25日、J340-J346、ISSN 1342-6907、2021年3月19日閲覧。 

関連項目

 コマ (映画・漫画)
 アニメーション
 液晶ディスプレイ、ブラウン管
 インターレース解除
 フレームシンクロナイザー - 主に放送で用いられる映像フレーム調整機器
 フィールド (計算機科学)

この項目は、コンピュータに関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めていますPJ:コンピュータ/P:コンピュータ)。

 表示
 編集
 
 
 
 
データ圧縮方式
可逆
エントロピー符号
 一進法
 算術
 Asymmetric numeral systems(英語版
 ゴロム
 ハフマン
 適応型(英語版
 正準(英語版
 MH
 レンジ
 シャノン
 シャノン・ファノ
 シャノン・ファノ・イライアス(英語版
 タンストール(英語版
 ユニバーサル(英語版
 指数ゴロム(英語版
 フィボナッチ(英語版
 ガンマ
 レーベンシュタイン(英語版
辞書式(英語版
 BPE
 Deflate
 Lempel-Ziv
 LZ77
 LZ78
 LZFSE
 LZH
 LZJB(英語版
 LZMA
 LZO
 LZRW(英語版
 LZS(英語版
 LZSS
 LZW
 LZWL(英語版
 LZX
 LZ4
 ROLZ(英語版
 統計型(英語版
 Brotli
 Snappy
 Zstandard
その他
 BWT
 CTW(英語版
 Delta
 DMC(英語版
 MTF
 PAQ
 PPM
 RLE
音声
理論
 ビットレート
 平均(ABR)
 固定(CBR)
 可変(VBR)
 コンパンディング
 畳み込み
 ダイナミックレンジ
 レイテンシ(英語版
 標本化定理
 標本化
 音質
 音声符号化
 サブバンド符号化
 変換符号化
 知覚符号化
コーデック
 A-law
 μ-law
 ACELP
 ADPCM
 CELP
 DPCM
 フーリエ変換
 LPC
 LAR
 LSP
 MDCT
 音響心理学
 WLPC
画像
理論
 クロマサブサンプリング
 符号化ツリーユニット(英語版
 色空間
 圧縮アーティファクト
 解像度
 マクロブロック
 ピクセル
 PSNR
 量子化(英語版
 標準テストイメージ(英語版
手法
 チェインコード(英語版
 DCT
 EZW(英語版
 フラクタル
 KLT(英語版
 ピラミッド(英語版
 RLE
 SPIHT(英語版
 ウェーブレット
映像
理論
 ビットレート
 平均(ABR)
 固定(CBR)
 可変(VBR)
 画面解像度
 フレーム
 フレームレート
 インターレース
 映像品質(英語版
コーデック(英語版
 重複変換(英語版
 DCT
 デブロッキングフィルタ(英語版
 フレーム間予測
理論
 情報量
 複雑性
 非可逆
 量子化
 レート歪み(英語版
 冗長性
 情報理論の年表(英語版
典拠管理データベース: 国立図書館


(出典:Wikipedia 2024/12/01 14:58 UTC 版)

フレームレート

参照:ウィキペディア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 10:19 UTC 版)
「Rec. 2100」の記事における「フレームレート」の解説
Rec. 2100は以下のフレームレートを指定している:120p, 119.88p, 100p, 60p, 59.94p, 50p, 30p, 29.97p, 25p, 24p, 23.976p。
プログレッシブ・スキャンのフレームレートのみが許容される。
※この「フレームレート」の解説は、「Rec. 2100」の解説の一部です。
「フレームレート」を含む「Rec. 2100」の記事については、「Rec. 2100」の概要を参照ください。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 21:56 UTC 版)
「Rec. 709」の記事における「フレームレート」の解説
BT.709では、画像サイズをフレームレートから分離するとともに、BT.709がHDTVの世界標準となる柔軟性を提供するために、さまざまなフレームレート及び走査方法を提案している。
このことが、セットメーカーに対して世界中のすべての市場に向けた単一の受像機やディスプレイを製造販売することを可能にしている。
BT.709-6では以下のフレームレートを指定している、ここでPは順次走査、PsFはプログレッシブ・セグメント化フレーム(英語版)、Iは飛越走査を示す。
24/P, 24/PsF, 23.976/P, 23.976/PsF 劇場用映画に適する。
小数点付きのレートはNTSCの「プルダウン」との互換用である。
50/P, 25/P, 25/PsF, 50/I (25fps) PALおよびSECAMといった50HZシステムを使っていた地域用。
PAL/SECAMではNTSCのようなプルダウンを用いなかったので、小数点付きのフレームレートは定義されていない。
60/P, 59.94/P, 30/P, 30/PsF, 29.97/P, 29.97/PsF, 60/I (30 fps), 59.94/I (29.97 fps) NTSCのような60Hzシステムを使用していた地域用。
ここでも再び旧来のNTSCでのプルダウンに対応した小数点付きのレートが定義されている。
※この「フレームレート」の解説は、「Rec. 709」の解説の一部です。
「フレームレート」を含む「Rec. 709」の記事については、「Rec. 709」の概要を参照ください。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 03:14 UTC 版)
「Rec. 2020」の記事における「フレームレート」の解説
Rec. 2020では以下のフレームレートが指定されている:120p、119.88p、100p、60p、59.94p、50p、30p、29.97p、25p、24p、23.976p。
プログレッシブ・スキャンのフレームレートのみが許容されている。
※この「フレームレート」の解説は、「Rec. 2020」の解説の一部です。
「フレームレート」を含む「Rec. 2020」の記事については、「Rec. 2020」の概要を参照ください。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 19:48 UTC 版)
「2160p」の記事における「フレームレート」の解説
120pがITUによる規格上の最大である。
デジタルシネマカメラで撮影された映画は24pが主流である。
放送業務用途では60pが主流となりつつあるが、家庭用4KテレビやカメラではHDMI1.4準拠で30pまでの対応とする機材も多い。
2013年9月12日、IBC2013でBBCなどが150pや300pによる映像を展示した。
これにより映像のボケが改善される。
※この「フレームレート」の解説は、「2160p」の解説の一部です。
「フレームレート」を含む「2160p」の記事については、「2160p」の概要を参照ください。
ウィキペディア小見出し辞書の「フレームレート」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。
ご了承くださいませ。
お問い合わせ。